欝気味な母、厳格なサラリーマンの父を持ち、来年に受験を控える高校生の楓。幼い頃から両親の求める「いい子」を演じていた。日常的に行われる自傷行為は、心のバランスを保つためのものだつた。数週間、生理が来ていない。しかし、誰にも相談できないまま時間が経過する。あるとき、小さな命の、楓に対しての無条件の愛を感じ取り、『産みたい』と思い、そして絶対に守ろうと誓う。徐々に体に変化が現れ始め父の虐待はエスカレートしていく。楓の置かれた現実に対し、皮肉にも空はいつも美しく、ただ楓をじっと見ているかのようだ。
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